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「イラクの未来は不透明」

今日は、カーシムは札幌で高校生にイラク報告。私は京都で報告してました。
高校生の反応はどうだったのでしょうか?

昨日は雪でした。札幌はよく積もっておりました。
カーシムは、昨年の来日で、雪の降る露天風呂というのを体験したことがありました。
今回の初体験は、「雪の上を歩く」でした。
「こんなに積もった雪は初めて見た」と楽しんでおりました。

北星学園大学では、たくさんの感想文をもらいました。
多くの学生さんが、カーシムの子ども時代や大学時代を聞いて身近に感じてくれたようです。そして、印象に残ったカーシムの言葉をたくさん書いてくれました。

「数秒で建物は破壊できるけど、その建物を再建するのには何年もかかる」

「弾丸は人の命を一瞬で奪うけれど、人の命を取り戻すことはできない」

オバマ大統領になって、米軍が撤退したらその後イラクはさらに泥沼化するのでは?という質問がわりと毎回出ている。カーシムはこんな風に答えている。

「ブッシュ政権は間違いだらけだった。イラク戦争の計画段階で起用した”イラク人”も間違いだった。この”イラク人”たちはみな、30年近くもイラクに存在していなかった。だから、イラクで経済制裁に耐え苦しんだイラク人たちは、彼らを信用できない。アメリカの戦車とともにやってきた”イラク人”たちは、イラク国内に支持者もネットワークもなかった。だから、政党を作って支持者を増やすために”宗派”を使った」

「ブッシュ大統領以外なら誰でもいい。せめて、オバマ大統領にはブッシュ政権の間違いを認めてほしいと思う。そして、謝罪の言葉が聞きたい」

ここからは、私が思うこと。
米軍が撤退しなければ、イラクはさらに悪くなるだろう。
イラクは、もう一度”イランイラク戦争”を始めることになるかもしれない。
いや、もう始まっているのかも?

米軍の存在は、新たな火種を作りだすだけだと思う。
「親米×反米」「スンニ×シーア」「過激派×穏健派」「イラン×周辺国」
そうなれば、それこそイラクはその土俵となって泥沼になってしまう。
って、もうなってるか。。。

アンバール州は、米軍が撤退し、戦闘がなくなって1年半以上たつ。
しかし、最激戦地はアンバール州から北部や中部に移動しただけだ。
それはつまり、米軍がイラク国内を移動しただけのことだ。
米軍が行くところ、いろんな武装勢力も集まる。
治安が悪化する。明白。

一昨日、落ち着いているはずのアンバール州ラマディで米軍を狙った自動車爆弾が炸裂した。ラマディは最近、米兵の数がまた増えてきているのだ。そして、爆弾をしかけたのは、米軍の刑務所から釈放されたばかりの人たちだったといわれている。拷問や虐待の恨みからか。

現在も、私たちの友人は米軍刑務所に入れられたままだ。
もう8ヶ月以上になる。
生きていてほしい。
返してほしい。

イラクが良くなるためには、イラクをイラク人に返すことだ。
米軍が撤退しただけでは事態は好転することはないと思う。
イラクは、アメリカとイランのダブル占領下みたいなものだから。

「イラクの未来を不透明」にしているのは、「テロとの戦い」が根本から見直されてないからじゃないだろうか。米軍が撤退しても「テロとの戦い」が続く限り、不透明なんじゃないだろうか。

さて、明日22日は東京九段下で「週刊金曜日15周年記念イベント」。
私は14:00〜筑紫哲也さんの追悼プログラムに出演します。
その後、第2部ではカーシムとスピーチします。
夜、カーシムは文京区民センターで劣化ウラン関係のイベントでスピーチします。

あさって23日は、カーシム最後の報告会。
14:00〜@東京高田馬場ピースボートセンターとうきょう。
私は、13:00〜北海道北広島西の里会館でイラク報告会です。
by nao-takato | 2008-11-22 00:57 | 報告会/来日ツアー

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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