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ハンナからヒロシマへ。

15日はハンナ(阪奈)報告会、ということで奈良に行ってきました。
カーシムは阪大にいるイラクの友人との再会にうれしそうでした。
2人とも、思いっきりイラク語(アラビア語のイラク訛り)をしゃべっていました。

関西のいろいろな所から足を運んでくださったみなさん、ご来場ありがとうございました。その中に、沖縄スタディーツアーで訪れた伊江島で私たちの隣にいた、という大学生がいました。「ものすごいお忙しそうだったので、声をかけられませんでした」とのことでしたが、よく見ると伊江島で撮影した写真に写っていたんですね!それを御縁に来ていただけたのは、うれしいです。彼女、沖縄をテーマに卒論を書いているらしいです。

報告会終了後、その彼女とカーシムや数人を交えて、こんな話題を投げて立ち話してみました。
「伊江島に阿波根さんが存在していなかったら、伊江島は武装闘争になっていたか?」
意見は分かれました。みなさんはどう考えますか?

そして、今日は広島でシンポジウムとキャンドルメッセージに参加しました。
『非人道的兵器禁止と日本の役割〜クラスター、劣化ウラン、核兵器廃絶に向けて』というテーマです。

シンポジウムでは、JCBL(地雷廃絶日本キャンペーン)の目加田先生の講演がありました。いろいろ勉強になりました。クラスター爆弾の被害者は、私もイラクでたくさん出会いました。私なりに、クラスター爆弾の被害についてずっと語ってきましたが、やっぱりいつも気分が重くなるのは、日本が製造してる、持ってるってことですね。
カーシムは、クラスター爆弾で死んだ友人のことを話ました。

兵器に人道も非人道もないけど、クラスター爆弾の被害はすごかった。
イラクで衝撃的なクラスター被害のことを思い出したので、書きます。
(拙著『戦争と平和〜それでもイラク人を嫌いになれない〜』(講談社)にはもっと詳しく書いてありますので、ご興味のある方はぜひご覧ください)

イラクのヒッラという町の病院に行った時のこと。
そこはとにかくクラスター爆弾の被害者が多かった。
小さな子どもはクラスターの破片で腸がメチャクチャになって人工肛門を付けていた。
別の病室には、女性と彼女の甥っ子2人が横たわっていた。
甥っ子2人は、片足ずつ吹き飛ばされていた。
女性は見えるところはかさぶただらけになっていた。
私は、子どもを産んだ経験はないのだけど、お腹が痛くなった。

案内してくれた医者は言った。
「この3人は同じ家に住んでいて、昼ご飯を食べている時にクラスター爆弾が降ってきたのです。甥っ子たちは、足を失いました。女性は、その時、妊娠9ヶ月でしたが、負傷して病院に運び込まれました。すると陣痛が起き、そのまま出産をしました。生まれてきた赤ちゃんの皮膚の7カ所にクラスター爆弾の金属片が突き刺さっていました。幸い、赤ちゃんは破片を取り除いた後に退院していますが、女性は体中に金属片が刺さったままで退院できていません。一生かかってもすべてを取り除くことはできないでしょう」

こんなクラスター爆弾です。が、さらに困ったことに不発弾になる確率が高いので、地雷化します。しかも、目加田先生のお話によれば、車やバイクの振動でも爆発しやすいとか。。。こんなのを日本の海岸線沿いに置かないでほしいですね。。。

夜のキャンドルメッセージでは、1000本以上のろうそくで「BAN DU NEXT」と書き、その撮影が行われました。そのメッセージが世界に向けて発信されます。特に来月のオスロで開かれるクラスター爆弾禁止条約の調印、それに続いてほしい劣化ウラン弾禁止、核兵器禁止のステップを願ってのイベントでした。

イラクに、がんや白血病患者が激増していることは事実です。ファルージャ総攻撃以降、ずっと後追い調査をしている人たちからの報告でも、人々に異変が起きていることは数字から明らかです。やっぱり、兵器は良い事ない。百歩譲っても、ない。

カーシムは、こんなこと言いました。
「イラク人は兵士も含めて、戦争なんかしたくなかったんだ。でも、誰も止められなかった。そして、がん患者と、破壊と、傷ついた心だけが残った」

さて、明日17日夜はシアターN渋谷でトークイベントです。
映画『リダクテッド』ご覧になりましたか?”必見です。
イベント詳細はコチラ↓

映画『リダクテッド』トークイベント

今後の予定、札幌からです。
11月19日(水)10:40〜@北海学園大学(学生)
11月20日(木)08:50〜@北星学園大学(学生)
        18:00〜@北海道クリスチャンセンター(一般)
11月21日(金)13:15〜@札幌清田高校(学生)
11月22日(土)14:00〜@週刊金曜日15周年記念イベントin九段会館(スピーチのみ)
11月23日(日)14:00〜@ピースボートセンターとうきょう
11月24日(月)ピースオンワークショップin高尾山(もうひとりのカーシム、画家のカーシム・サブティーに会いに行きます)
11月26日(水)名古屋より帰国

後半戦に入ったところで、疲労が”染み出て”きましたが、がんばります。次のチャンスがあるかわからないからです。伝えられる時に伝えたい、そう思ってます。
カーシム、ふんばれ!
by nao-takato | 2008-11-17 01:02 | 報告会/来日ツアー

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


by nao-takato