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旭川、オフ、東大駒場キャンパス。

12日の旭川が終わって千歳の自宅に戻ったら、パソコンを開ける気力がありませんでした。翌日は、”寝だめ”しました。。。

12日は、午後2時からまず札幌の記者クラブでカーシムが記者会見しました。同席したのは、セイブイラクチルドレン札幌、イラクの今を聴く会、そして通訳として”アメリカばんざい”の影山さん。今回カーシムが持ってきた写真から9枚を選んで、配布資料にしてもらいました。今回の来日の目的は、イラクの現状、主に避難民の深刻な状況を伝えること、もう1つの目的は、日本の平和の精神や平和構築を学ぶこと。はい、確かに沖縄スタディーツアーは、ビンゴのタイミングでかなりの収穫がありました。

記者会見を終えて、一路旭川へ。高速道路の脇には白い雪。気温は5度。
数日前の沖縄とは20度以上違います!
パソコンをセットアップして、廊下に出ると、知っている顔が入ってきました。
なんと、イラクに初入国した時に一緒だった女性です。今月1日に実家のある旭川に戻ってきたのだそうです。夕方のニュースを見ていると、カーシムが出ていたので、あわてて自転車でやってきたとのことでした。それと、翻訳家の池田香代子さんが一般参加者に混じって聞きにいらしていたのです。私は、「池田さんにそっくりだなぁ」と思っていたのですが、最後に手を振っていらしたので、思わず「本物だー!」と小声で叫んでしまいました。

いつものように私が先に30分ほどイラクの現状を報告し、カーシムたちが撮影した映像を2本流しました。その後、カーシムが話をします。たいていの場合、私が通訳をするのですが、乗って来るとどんな話が飛び出すかわからないというのがあります。興味深い話の連発なのですが、通訳はちょっと大変ですね。

今日は、初めてイラク軍当時に着用していた軍服をみなさんにお見せしました。腕には赤い三角形の刺繍。これは、共和国防衛隊の印です。

実は、この軍服、4年前にカーシムに預かってくれと言われ、ずっと北海道の自宅で保管していました。2003年以降、とにかく米軍の襲撃(家宅捜索)が頻繁に行われていました。米軍は戦時中、共和国防衛隊を特に敵視しておりました。カーシムの母は、「もう、捨ててしまいなさい。見つかったら大変よ」と言っていたそうですが、カーシムは若い世代にイラク戦争を伝えるのだと言って、捨てることを拒んでいました。そして、2004年のある時、ヨルダンにいる私の所にこの軍服を持ってきて、「安全な日本で保管しておいてほしい」と言われたのです。私は、それを持ち帰って、自分の部屋に置きっぱなしにしていました。カーシムは砂や埃、ポケットのタバコの葉っぱもそのままにしておきたいと言っていましたが、留守がちな私から事情をまったく知らされていなかった家族は、すっかりお洗濯してしまったのです。。。私の洋服だと思っていたようです。まさか、カーシムの思いの詰まった軍服とは思わずに。。。カーシムはそれを聞いて笑ってました。

カーシムはこの軍服にまつわるエピソードを紹介しました。
イラク戦争中、塹壕の中で、親友がクラスター爆弾を頭に受けて死んだこと。
彼がまともに爆弾を受けてくれたから、僕には左肩に破片が入っただけだった。
今も、その破片は身体の中にあること。
そして、ベッドに横たわる時、痛みが走って、友だちのことを思い出すということ。
彼のおかげで自分は生きているという思いが消えないこと。
自責の念、罪悪感を強くもっていたこと。
カーシム、つらいだろうな。そういう話をするのは。。。

軍服は、今日の東大駒場キャンパスでもお披露目しました。
今日はそこまでディープな話ではなかったですが、自分がどんな環境で育ったかを話たのは、学生のみなさんにはかなり興味深かったのではないでしょうか?
イランイラク戦争、クウェート侵攻から湾岸戦争、そして徴兵されて自身もイラク戦争へ。

毎回、いろんな話が飛び出します。明日はどんな話をするのだろう?
明日は、奈良です。
16:00〜西大和教会

    ≪≪≪カーシムの本≫≫≫
『ハロー、ぼくは生きてるよ 〜イラク最激戦地からログイン』
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/427221098X.html
「翻訳者の一人、高遠菜穂子さんに聞く」
http://www.book.janjan.jp/0806/0806119338/1.php

    ≪≪カーシムのブログ≫≫ ※2006年にUPされたものです。
日本語版  http://iraqmailj.exblog.jp/
英語版  http://iraqmail.blogspot.com/
by nao-takato | 2008-11-15 02:37 | 報告会/来日ツアー

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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