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「殺」「PTSD」「ホームレス」「格差」

『アメリカばんざい』の中で、「殺した」「殺された」「PTSD」「実験台」「ホームレス」という言葉が、出演者の口から何度も飛び出した。

イラクで100人殺した若き兵士は、激しいPTSDに苦しんでいた。2年後、「仕事が3ヶ月続いた!」と満面の笑みで取材班に報告し、女の子とデートするんだとニヤけて見せた。デートに向かう直前、自作のラップでカメラに向かってこう言った。

「笑っていても、心は痛い」

どんなに苦しくても、生きていればメシも食うし、笑いもする。
他人はそれを見て「あら、元気になったのね」と言う。
突然泣き出したり、パニックになる。
他人はそれを見て「キレやすいのね。感情のコントロールできないのかしら」と言う。
他人は「音楽でも聴いて、リラックスしてね」と言うが、
私は3年間、iPODで音楽が聴けなかった。

NHK『兵士たちの証言』は、結構よく観る。録画もしたりする。今回はビルマ戦線。88歳の元軍曹は、ビルマ戦線で戦った部隊4000人中生き残って帰還した1000人弱の1人。ビルマで負傷した戦友を置きざりにしたのだそうだ。そして、「何かあったら、これで自殺しろ」と言って、手榴弾を渡してきたという。

その言葉を聞いて、イラクで手榴弾を突きつけられたことを思い出した。
一度目は、サマワで。2度目はファルージャで。

「つらいんですよ。真実を話すということはつらいんです…。私が死んだら、冥土で会うでしょう。そうしたら、彼は、”お前、年とったな。あの時、どうして俺をビルマのあんなところに置き去りにしたんだ”と言われるでしょうな。もう謝るしかないでしょうがね…」

私は「アメリカばんざい」や「告発のとき」のコメントで、「殺(殺す、殺される)」に関わった人は、死ぬまで元に戻れないと書いてきたが、このおじいさんは死んでも「殺」から逃れられないと思っていたわけだ。

肉体は終わっても、魂は苦しみ続ける。願わくば、この苦しみは今生で終わらせたい。

そして、イラク人との会話は朝まで続く。

イラク:「ところで、日本の自衛隊はもう米軍サポートやめるんだって?」
ワタシ:「え!?そんな話出てた?」

(ワタシの心の声:イラク人の間では、今でもそんなことが話題になったりするんだ…)

イラク:「復興、復興って大騒ぎしてたけど、この前、砂漠の方まで行っていろいろ状況調査してきたんだ。そうしたら、100家族くらいのホームレスを発見してしまった。そのうち、半分くらいは知っている家族だった。ショックだったよ…。それをきっかけに、町の至るところで嫌な思い出がフラッシュバックしてきてさ。兄貴のこととか思い出して、この2日間、一睡もできてない…。こんな風になるなんて…。こんなに辛い思いをするなんて思ってなかった。復興に燃えて働いていればそんなの平気だと思ってた…」
ワタシ:「やっぱりね…」

(ワタシの心の声:米兵と同じこと言ってる…)

イラク:「今、ここにはアメリカ式のビジネスと経済が入ってきて、一部の人だけがアメリカから恩恵を受けて、すべてを失った人たちのことはまったく目に入ってないんだ。ホームレスになった人たちのことを思うと…」

(ワタシの心の声:それって、日本でも同じじゃない?)

ワタシ:「さっき、アメリカのドキュメンタリー見て来たよ。全米で300万人のホームレスがいて、男性ホームレスの3分の1は元兵士だって。(ため息)戦争なんて、理想論。戦争は誰のことも守っちゃくれんのだよ」
イラク:「まったくだ…それはここで十分に見たさ」

セカイはつながってる。良くも悪くも。
by nao-takato | 2008-08-01 05:19 | 心/瞑想

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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