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映画『アメリカばんざい〜CRAZY AS USUAL〜』

今週公開予定のドキュメンタリー『アメリカばんざい』、これもぜひご覧いただきたいです。ポレポレ東中野で7月26日(土)からロードショーです。

この映画のコメントを書かせていただきました↓

「アメリカばんざい」オフィシャルサイト

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映画『アメリカばんざい〜CRAZY AS USUAL〜』

この映画は、戦争が、守るべき自国民にもたらすあらゆる負の側面をリアルにえぐり出している。戦死、PTSD、貧困、失業、ホームレス、家族の崩壊、社会からの孤立、弱者への暴力。それまで個別に語られてきたそのすべてが、ここでドッキングしている。監督は2年をかけてアメリカを取材しているが、特殊な人々を追っているわけではない。ごく普通の家族たちがこのドキュメンタリーの主人公だ。それはつまり、どれだけ多くの人が戦争と共に生きているかということだ。そして、戦争と共に生きるということはどういうことかを、イラク戦争に加担していることにさえ実感を持てない平和の国ニッポンに教えてくれる。
学生たちが軍に入隊したのは大学入学のためだったろうか?家計を助けるためだったろうか?いつか戦地に赴いて帰還したら、名誉と恩給をもらえると思っていただろうか?対テロ戦争を進める平和の国ニッポンの国民が、このことを対岸の火事だと言いきれるのはいつまでだろうか?“ブートキャンプ”はダイエット法ではない。

高遠菜穂子
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最初にこの映像をチラッと観たのは、幕張メッセで「9条世界会議」が開かれている最中でした。「元米兵と元イラク兵の直接対話」というテレビ番組の収録の中で、このドキュメンタリーの編集中だった藤本監督とジャーナリストの影山あさ子さんが、東京まで来られて二人にインタビューしたことがありました。そこで私は初めてこの映像を数分だけ観ることになったのです。衝撃でした。その後、試写用にいただいたDVDを観て、私は涙が止まらなかったのです。

その頃、実際にあった事件に基づいた映画「告発のとき」を観て衝撃を受けていたのですが、「アメリカばんざい」はそれを裏付けるようなドキュメンタリーでした。紛れもなくどれも現実なのです。

「アメリカばんざい」の中には、よく知っているイラク帰還兵も出てきます。彼と交わした会話が思い出されました。1度目に会った時には「イラクに行ったのは命令に従っただけだ」と言っていた彼が、次に会った時には「日本の憲法9条を支持するよ」と言っていました。「なんか変わったな」と思いました。自分の身の上で進行している「現実」に目を向けることは、「戦争」そのものに目を向けることになったのかもしれません。そうした「現実を受け入れる」ということが、どれほど苦痛であるかを感じました。

でも、「戦争の事実」は画面だけでは伝わらない。それが、私がイラク報告を続けてきて思うことです。だから、せめて画面でたくさん見てほしいと思います。「アメリカ」という戦場は、日本人である私たちが歩んでいる道ですから。
by nao-takato | 2008-07-24 16:40 | 心/瞑想

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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