ノスタルジックイラク

最近思い出すのは、楽しかったことばかり。張りつめた思いで見てきた苦しい悲しいイラクを、懐かしく愛おしく思い出すのはそれだけ遠くなったということ？みんなでチョビを踊りたいよ。チョビって？イラクの盆踊り。お盆はないから、ボンダンス！？いや、フォークダンス？なんだろ、手をつないで円になって微妙な動きで踊る。地方によってステップがこれまた微妙に違う。先頭の人が右手を挙げてネックレスみたいなのをクルクル回す。あ、もしかしたらチョビって言葉もイラク方言かな。イラクの愉快な仲間の１人は、自分の結婚式で嫁さんそっちのけで夜通しチョビを男連中と踊っていたとさ。めでたいね。

バグダッドボーイズが手をたたいて歌っていたのを思い出す。微妙なアラブのリズムをバケツで上手に刻んでいたっけ。マイケル・ジャクソンの真似したり、似顔絵描いたり、木の実を拾ったり、楽しかった。チグリス河、キラキラしてたよ。バスに乗ってボーイズとピクニック大珍道中。行き先はバクーバだった。お弁当食べて、サッカーしたっけ。

昨日、バクーバの友人から”命からがら逃げてきた”という報せがあった。バクーバでは男狩りが行われていて、家族と離れるしかなかったという。生まれたばかりの赤ん坊の顔をやっと見に行くことができたのに、お父さんは家族と一緒にいられない。着いたバグダッドではスンニ派狩りが大流行。外国に出るしかないか、と悲しそうな彼。本当は彼、チョビが大得意のお笑い芸人みたいな人。