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「町が消えた」 〜破壊のためのブルドーザー〜

「レジスタンス最強の町」と冠がつくようになったラマディ。先日、米軍はこの地域を掌握できないと悲観報告をしたばかりですが、町はとんでもない状況におかれ続けています。

9月20日アジアタイムスのラマディに関する記事(英文)

今年の4月から、ラマディは本当に大変でした。そして今もその状況が続いています。米軍は道を塞ぎ、学校や病院を占拠し、建物から住民を狙撃します。そして、その遺族の中の一部がレジスタンスとして、米軍に攻撃する。すると今度は米軍がその攻撃に対する集団処罰として、地域の電気と水をカットし、ガソリンスタンドを破壊する。いつもの悪循環は今も変わらず。

最近は米軍の破壊の仕方が変わりました。空からの爆撃ではなく、ブルドーザーで建物を徹底的に潰していくとのことです。

ラマディの現在の状況を記した上記URL(アジアタイムス)と同様の報告は、ラマディやその周辺の町からいくつも出ています。私の元に入ってきた報告によれば、ラマディのアジジア地区で、この数ヶ月で住宅が次々と潰され、以下のような建物も潰されてなくなったそうです。報告者は、この状況をDestroyed(破壊された)ではなく、Deleted(消された)と表現していました。再建のために使われるべきブルドーザーは、破壊の道具にされてしまっています。ちなみにこれは「解体作業」ではありません。

1- Alrasool Alarabi primery school (アルラスール アルアラビ小学校)
2- Al Ramadi school (アルラマディ学校)
3- Youth centre (ユースセンター)
4- Police centre (警察署)
5- Shops and apartments (商店やアパートなど)
6- Alrasheed hotel (アルラシードホテル)
7- The teacher developing centre (教職員養成センター)
8- Phone tower for mobile services ( belong to Iaqana mobile company )
(携帯電話サービス会社Laqanaの通信タワー)
9-    Shopping centers buildings (ショッピングモールなど)
10-  Alrafidain Bank ( branch ) (ラフィデイン銀行支店)
11-  Retired employees office (シルバーセンターの事務所)
12-  Meeting centre of Ramadi teachers (ラマディ教職員会議場)

上記URLの記事文中(アジアタイムス)には、「World is silent(世界は沈黙している)」という言葉が出てきます。しかし、イラク人でさえ、アンバール州以外に住んでいれば、こんなことが国内で起きていることを知る由もないというのが実情です。

2週間ほど前、米軍はラマディに緊急支援で入ろうとしたイラク赤新月社(赤十字のイスラム版)を市内に入れませんでした。ここ(ラマディ)はテロリストの町なので、いかなる物資もテロ支援になるので通すことはできない、というのが米軍の説明だったそうです。

アジアタイムスの記事の最後にはこう書かれてます。「米軍のスポークスマンはこれら(ラマディで行われていること)に関してはノーコメントだったが、”米軍はテロリストから町を守るためにベストを尽くしている”と言った」
by nao-takato | 2006-09-22 03:36 | ラマディ/ファルージャ

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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