イラクの市民活動家を標的にした連続暗殺の件。
2020年 08月 22日
イラクのデモのリーダーたちを狙った暗殺が連続で起きている。
南部のバスラでは、5月に知事の辞職を求めてデモが再燃。
そして8月、この1週間だけで負傷した件も含めて5件の活動家暗殺事件が報告されているという。
先週金曜日に殺害されたのは、バスラの男性の活動家。
職場で襲われ、20発の銃弾を受け即死。
月曜日、殺害された活動家の男性の葬儀に向かう途中で、
友人をピックアップした時に、近づいてきた車両から発砲され、
間一髪で逃げることができた未遂事件。
水曜日、車で走行中にバイクからライフルで銃撃されて即死したのが著名な女性の活動家。
栄養士でフィットネストレイナー、29歳だった。
同乗していた女性3名のうち2名が負傷、1名死亡。
その数時間後、婚約者と一緒にいるところを銃撃された活動家の男性は、
婚約者をその場で失い、自身も身体に7発の銃弾を受け、搬送中に絶命。
脅迫、殺害予告、銃がそこらじゅうにあるので、狙われたら早い。徹底的に撃たれる。
南部バスラでは2018年のデモ以来、バグダッドやその周辺では昨年のイラクの10月革命以来、
デモのリーダー的存在は男女問わず命を狙われ続けている。
そして、それを報道するジャーナリストたち、
マスメディアもフリーランスも関係なく命を狙われている。
デモの要求は、
汚職撲滅、飲める水をよこせ、
若者に仕事を、政治システムの再構築。
外国(特にアメリカとイラン)の介入はお断り。
ツイッターでは、「次は自分か?」という不安や、
「飲める水をくれというのは求めすぎなのか?」という嘆きも...。
2005年の地獄の始まりを思い出して、寒気がする。
誰もがイラン系シーア派ミリシアとわかっているのに犯人は"Unknown"で、
人通りが多いところで、残忍に殺され、連続で、何年も続き、
真相を追求しようとした者たちも次々に殺された。
標的になり得る人たちは殺されたか、国外に逃げるかして
「もう町にはオマル(スンニ派特有の名前)はひとりもいない」と人々は言っていた。
今は、イラン系シーア派ミリシアとイラクのシーア派という構図。
SNSや防犯カメラがある程度の歯止めになっている部分はあると思うけど...
在イラクの欧州18ヵ国大使館も
エスカレートする市民活動家への暴力、暗殺を非難する声明を連名で出した。
マジで、殺さないで。
by nao-takato
| 2020-08-22 03:47
| イラク全体