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5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~

ファルージャ市内は相変わらずで、避難民はそのままの生活を余儀なくされている。少しずつ補償が出ているらしいが、本当に少しでほとんど変化はないという。自宅に戻って片付けをしても、それ以上はどうしようもないというのが現実らしい。この前来た時に自宅は「半壊」だったのに、次の機会に見た時は「全壊」していることもよくあるという。バグダッド市内にいた避難民たちはファルージャ郊外に移ってきている人もいるらしいが、市内で生活を始められるような状況ではないし、市内に入ることをクリアするだけで大変な思いをしている。市内に入るには、米軍からの許可をもらい、網膜と指紋の登録とチェックをしなければならない。自由に出入りはできないし、コンスタントに自宅に戻ろうとするにはID登録をしないとならない。ファルージャの友人たちは、「まさに監獄」と言っていた。

前回のミーティング(1月)で、緊急支援として診療所を開設したいということが挙げられていた。サグラウィーヤというファルージャ郊外の農村のアルボシュジェ地区に空き家があるので、そこを診療所に改築し、ファルージャ総合病院のドクターに入ってもらうという予定になっていた。

診療所ができたという連絡はすでに3月に受けていたが、その写真を今回は見せてもらうことができた。写真を見て、こりゃまた、驚いた。もっと小さな建物でもっとこぢんまりしたものかと思っていたのだが、いやいや、これが立派なもんなのである。いろいろ説明してもなんなので、とにもかくにも写真を見てもらうことにいたしましょう。ちなみに、総経費はおよそ9000ドル。内7000ドルは「イラク支援ボランティア高遠菜穂子」にいただいた寄付金から。2000ドルはカメラマンの佐藤好美さんが日本で募った寄付金です。(内およそ1400ドルは医薬品購入に充てました)ありがとうございました。※一部医薬品、医療器具に関してはドクターのルートで保健省から入れたものもあります。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_41466.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_412828.jpg病院入り口。「アルボシュジェ地区(サグラウィーヤ)保健省アンバールファルージャメディカルセンター」

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_461341.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4273617.jpg待合室と購入した医薬品。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4112091.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_412278.jpg医薬品はバグダッドからおよそ1400ドル分。抗がん剤と違いかなりの量が買える。子どもの栄養剤も。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4281294.jpg
5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4222132.jpg診察室の内部。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_431585.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_433157.jpg倉庫内にある医薬品。酸素ボンベ。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4365921.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4372137.jpg診察用ベッドと待合室。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4442496.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4444769.jpg診察室、処置室、薬局、事務室、待合室、トイレという間取り。

5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4471445.jpg5月2日 完成!診療所~ファルージャ再建プロジェクト~_b0006916_4473660.jpg庭付き。砂漠の国にも花は咲く。


3月開業。常勤のドクター2名(外科医1名、産婦人科医1名)、ナース3名、緊急の場合はサグラウィーヤにもう1件ある診療所からヘルプが来ることもある。ドクターは診療時間外に村をまわって子どもたちにポリオワクチンを接種している。診療に訪れるのは妊婦、子ども、老人(糖尿病が多い)、また、戦闘に巻き込まれたけが人など。さらに補充が必要なものとしては、発電機、血圧計をもう1台、狂犬病のワクチンなど。

その他ファルージャの様子について:
サダム政権時にも、このアンバール州というのは政府のケアが行き届いていない地域だったとは以前から聞いていたが、イラク戦争後はさらに悪化。度重なる米軍の封鎖により首都からの物資が入って来なくなる。特に11月の総攻撃以降、食料と医薬品の配給が止まっていた。ファルージャ総合病院は総攻撃後に一部破壊されたまま再開されたが、手前の検問で一切の車の乗り入れが禁止されたり通してもらえなかったりで不便を極めていた。橋から車を降りて、野菜売りの荷車でけが人を運んでいる人もいる状況。検問の場所をずらすという提案が住民と米軍との間で話し合われている。

夜8時以降は外出禁止。夜の急患の場合などは、ファルージャ総合病院に行くより、川を渡ったり砂漠を通ったりしてバグダッド近郊のヨルダン病院まで行く方が早かったりする。昼間でも、突然に米軍の作戦(家宅捜索など)が始まると、その周辺にいると疑いをかけられたり連行されたりする。ラマディも同じ状況にあり、先日は突然インターネットカフェにいた客を含む全員が強制的に連行された。数日で容疑が晴れ、全員釈放。
by nao-takato | 2005-05-02 05:28 | 支援/プロジェクト

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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