
いつも「イラク支援カンパ」にご協力いただきありがとうございます。
2014年から再びイラク難民、イラク国内避難民急増し、
それに伴い、支援の内容も緊急支援のニーズが非常に高まっています。
各地報告会でもお知らせしております通り、
イラクは「イラク戦争後最悪の事態」と言えます。
この危機に陥ってから、迅速に現地のニーズに対応できたのは、
みなさまのあたたかいご理解、ご支援、ご協力のおかげです。
心から感謝いたします。
私は個人でできることとして、
「individually but cooperative(個人的に、かつ協力的に)」をモットーに、
「隙間を埋め、つなげる支援」を目指しています。
あまりの甚大な人道危機に「砂漠に水をまいている」ような気分になることもしばしばですが、
それでも、まさに生き延びようとする人たちのそばに居たいと思います。
この13年間に私自身が現地で積み上げてきたものも一緒に破壊されてしまいましたが、
みんなで生き延びて、そしてもう一度一緒に働きたいと願います。
一緒に何かを成し遂げたい、そう思ってしまうのです。
過激派からの「奪還」を果たしたファルージャやラマディの町は、
凄まじい破壊の爪痕が残っています。
ラマディに至っては、「町の8割近くが全半壊」と国連や国際赤十字も報告しています。
道路や建物の中には地雷や仕掛け爆弾も残っています。
病院への空爆も激しかったため、その再建も急がれますが、
想像以上のダメージに病院スタッフも深く落胆していました。
以前一緒に働いたファルージャの女性医師は、涙ながらに電話をかけてきました。

それでも、人々は立ち上がります。
あきらめずに街に戻っていきます。
くじけずに再建に向けて働いています。
片付け中に仕掛け爆弾で死傷する事態も起きていますが、
町を取り戻すまで彼ら彼女らは働き続けます。
そして現在、「モスル奪還作戦」が進行中です。
過激派がモスルを占拠するほんの4ヶ月前まで、
私は「特別支援センター」の支援のためモスル市内に滞在していました。
どうかみんなが無事でありますように。
追い詰められた過激派は市民をさらに脅迫し、恐怖でがんじがらめにしています。
有志連合による空爆も止むことはありません。
私の友人は幼子三人を抱えて自宅の窓のない角にうずくまり、
家の外の恐怖支配に息を殺し、毎晩空爆が止むのを待っています。
彼らがどうか無事でありますように。
そう祈っています。
深い祈りを込めて私も働こうと思います。
現在、みなさまにご協力いただいた「イラク支援カンパ」は全額を以下の支援やプロジェクトに充てています。
ー モスルやその近郊からの避難民への緊急支援(食料、水、テント、毛布、医薬品など)
ー 「奪還後」の町に帰還した人々への支援(食料、水、毛布など)
ー 避難民の医療費支援(爆弾被害など緊急性の高い患者の医療費など)
ー 破壊された病院の再建(手術キット、電源装置、医薬品、医療機器など)
ー イラク難民(在ヨルダン)の医療費支援、学費支援
ー イラク国内での先天性欠損症や爆弾被害などによる火傷の形成外科ミッション
ー その他ニーズに応じて
「イラク支援カンパ」の振替先は以下のページにあります。
イラク支援カンパ振替先
引き続きご支援頂けますようお願い申し上げます。


現地では「イホネット(=イラクホープネット)」の以下のバナーを目印に現地スタッフが私たちの想いを届けてくれます。※現地スタッフからの提案でアラビア語で「日本」と入れました。


