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3つのガンとたたかう母と子どもたち。

6月24日にヨルダンに戻りました。
1ヶ月半ぶりのヨルダンです。

昨日はあちこち行って、清算やら情報交換。
問題なのは、4月にアメリカのオストメイト専門のNGOにオーダーした人工肛門バッグ(2名分)の受け取りの件。ヨルダンに届いているのだけど、いまだカスタムにあるのです!
ムシケラ!(アラビア語で「問題だ!」)

まぁ、そんなこともあろうかと、日本に戻る前にヨルダンで購入できるようにはしてありましたが…。
フォローアップをお願いしていた米NGOも「アンビリーバボー!」ってな具合です…。

患者さんはサーレ(7)とサリーマ(38)。
サーレについては以下2つをご覧ください↓
イラク戦争がなかったら、この子はここまで苦しむ必要はなかっただろう。

在ヨルダンイラク難民医療支援(人工肛門手術他)

昨日、サーレ(7)から電話がありました(^^)
とっても元気な声で「ハロー」。
「元気?ナホコだよ」と言うと、「元気!」。
今度は電話口で「ハロー!ナホコ」とリタージ(4)の声。
二人でキャハハハ!とはしゃいでいる。
「リタージ、元気?」と聞くと、
「リタージは糖尿病!」と母親の声!
なんですと!

それは、被ばくの影響が疑われる1型糖尿病なんだろうか??
この前、福島でそんな話も聞いたので、ちょっと気になるところです…。
サーレ一家は近々、アメリカに移住することが決まっています。

サリーマについて。
彼女は38歳で、結腸、子宮、膀胱の3つのガンに苦しんでおり、人工肛門を着けています。
2009年5月に、夫と子ども2人と共にファルージャからヨルダンにやって来ました。
UNHCRに登録はしていますが、経済サポートは受けられておらず、
民間カンパに頼らざるを得ない状況です。
とりわけ人工肛門のバッグ等は高価で、手に入らない時は繰り返し洗って使っている状況です。

3つのガンとたたかう母と子どもたち。_b0006916_1735291.jpg昨年6月に初めてこの家族に会い、みなさんからのカンパで人工肛門バッグを支援しました。彼女は何度も「ファルージャはがん患者だらけ。米軍の兵器の影響だと思う」と繰り返していました。ちょうどその時、私は福島からヨルダンに来たので、ガイガーカウンターを持っていたこともあり、福島の原発とイラクの劣化ウラン弾の話になりました。(撮影/昨年6月)


昨日、サリーマを訪問しました。
日本滞在中に、彼らのオーストラリアへの移住が決まったという連絡は受けていました。
直接聞いてみると、国連でもIOMでもなく、「就職」で行くのだということでした。
電気技師の夫は、06年にアメリカ海兵隊の仕事を請け負った会社で働いたことがあり、
その会社のオーストラリア支社に赴任という形。
これは稀なケースと思います。

06年当時に米海兵隊からもらったというレターには、
「瓦礫撤去等の作業とインフラ整備、ご苦労様でした!」みたいなことが書かれてありました。

米海兵隊といえば、04年のファルージャ総攻撃の主力部隊は日本から飛んでいきましたね。
ファルージャの町を包囲攻撃、無差別攻撃を容認、命令していたことも明らかに…。
その米海兵隊が、最後はファルージャの住民に「瓦礫撤去、ご苦労さま」と…。

夫は「俺は米軍と働いたんじゃない。下請けの会社で働いたんだ」と繰り返し、
その横で妻が「ファルージャは米軍の兵器のせいでガン患者だらけ」と繰り返す。

なんだか、モヤモヤした気持ちになりました…。
矛盾に満ちた世界で、なんとか折り合いをつけて生きていく。
選択肢があまりにも少ない。
しかし、そのご縁で未来に希望が持てるようになった…。

3つのガンとたたかう母と子どもたち。_b0006916_1735486.jpgムハンマド(5歳)とサファナ(4歳)。満面の笑みで玄関に飛び出してきた二人。元気に水鉄砲で遊んでました(^^) オーストラリアに行ったら、両親よりも早く英語が上達するんだろうな。ムハンマドもちょうど小学校1年生からオーストラリアの学校に通える予定。子どもたちの将来に希望を見いだせたようで、両親は移住をとても喜んでいました。(撮影/昨日)


さて、サーレとサリーマのためにアメリカから送ってもらった人工肛門バッグ。
早く、カスタムから出てきて!
連日、受取人の方がカスタムに出向いております…。

暑くて、乾いた空気のヨルダンより
by nao-takato | 2012-06-27 20:13 | 支援/プロジェクト

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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