人気ブログランキング | 話題のタグを見る

イラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。

医療機材と一緒に中古のソーラーシステム一式も送りました。
イラクの将来を語る時、必ず懸念されるのが石油などの天然資源のことです。
イラク戦争自体が石油争奪とも言われます。確かにイラクの原油埋蔵量は世界第3位。
巨大な未開発油田をめぐる利権に多くの国が必死です。
なのに、それなのに、イラク国民は十分な電力を得られないままです。
公共電力は1日に数時間なので、発電機に頼っていますが、燃料が高騰すればそれも厳しい。

イラクの気候条件を活かしたエネルギーはないだろうか?
実はこれ、初めてイラクに行った時から考えてました。
2003年当時も、帰国するたびに自然エネルギー(特に太陽)について調べてました。
その頃、サンヨーがモンゴルなどに小型太陽光発電を設置したという記事を読んで、メーカーに直接問い合わせたりしてました。それからもずっと、イラクが太陽エネルギーで電気をまかなえたら、どんなにいいだろうと妄想しておりました。

昨年、知人の紹介で国際NGOソーラーネットに辿り着き、相談しました。直後、絶好のタイミングで長野にあるネクスト・エナジーという中古のパネルを扱う事業者からソーラーネットに、1kwほどの太陽電池の寄贈があったのです。

翌月、医療機材と一緒にコンテナに積まれたソーラーシステム一式は、一路ラマディへ。
実際に、ラマディやファルージャの町ではすでに街灯にソーラーパネルを設置していました。
やっぱり、同じこと考えている人、いるんだなぁ。
中国製とドイツ製がほとんどだ、ということでした。

当初、私たちが送ったパネルの設置場所を学校にと考えていました。学校側も喜んでいて、いくつかの候補がありました。
ところが、次々と設置を辞退。どうしたのかと思ったら、一つは取り壊しが決まったとのこと。他の学校は、外国を嫌う勢力に標的される可能性があるという不安を口にし始めました。確かに、その頃、治安が悪化していました。結局、昨年12月の北イラクでの会議で、RYGのカーシムの家に仮設置しようと決めました。写真は、設置した時の様子です。

イラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1752022.jpgイラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1753756.jpg

イラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_176962.jpgイラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1773828.jpg

イラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1781047.jpgイラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1782753.jpg

イラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1795324.jpgイラクで太陽エネルギーを活かしてみたい。_b0006916_1710664.jpg

ソーラーネットさんに言われていたのは、砂漠の砂がパネルに積もると発電量が落ちるかもということでした。確かにそうです。これは、他のNGOからもアドバイスをもらいました。パネルメンテナンスをやる人が必要だということですね。
それと、自然エネルギーに詳しい方からイラクは太陽光発電するには気温が高過ぎるという指摘。
イラクは4月くらいから気温が高くなり、30℃以上になります。
7月、8月は最も暑く、50℃前後の酷暑が続きます。
確かに、太陽光発電には少し高温過ぎるようです。
それでも、街灯なんかもちゃんと灯りはついてました。

今の時点で、私が思うこと。
イラクみたいな所では、太陽光より太陽熱発電がいいかも。
とりわけ、西部のアンバール州は広大な砂漠が広がるわけで、ソーラーチムニー(タワー)にはもってこいなんじゃないかしら。
日本にはあまり向いてないけど、イラクには良さそう。

ここ最近、バグダッドからも個人住宅にソーラーパネルを入れたいという話が来てます。
中国とビジネスをしてるイラク人からは「スーツケースソーラーはどうか?」とかいうメールも。
数年前ですけど、クルド地区の人から巨大な太陽光発電所を作りたいのだが、なんて話も来てました。どれも、太陽光です。まだ太陽熱発電っていうのは知られてないみたい。昨年、アンバール知事にも「アンバールには太陽熱発電がいいと思う」と提案したんですが、知事も知らなかったみたい。でも、こんなイラク復興支援ならステキ。
by nao-takato | 2010-06-01 19:19 | 支援/プロジェクト

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


by nao-takato