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3万円があったなら…

昨日は、怒涛の1日だった。
朝一番で病院、その後は子どもたちのコートを洋服問屋に買出し。
午後から夜10時まで、避難民家族たちへの配布。

一昨日の晩、「寒い冬を乗り越える!」を書き終えて、部屋に戻ったら緊急の携帯メール。
CRPのマハ(アンマンチームのリーダー、私と同じ年で3人の子どもがいる)からでした。
彼女のところに、かなり切羽詰まった電話があったそうです。

44歳女性、下血が止まらず昏倒。
子宮に腫瘍か何かがあるらしく、1年前に一度だけ診察に行ったことがあるらしいが、手術代200~250JD(ヨルダンディナール、およそ3~4万円)はまったくの無理だということで断念。せめて薬代と思ったが、その18JD(2500円くらい)が払えずそのまま放置、下血のたびに苦しんでいたそうだ。

そうして一昨日、とうとう自宅で意識を失ってしまい、子どもたちも泣き出した。
藁にもすがる思いで、CRPのマハに電話してきた、というわけだ。

マハは驚いて、「なぜもっと早く電話してこなかったの?」と聞くと、「近所の人たち(イラク人)にお金をカンパしてもらおうと思ったけど、全部あわせて10JDにしかならなくて……。でも、アッラーがいつか助けてくれると…」

イラク人がヨルダンで手術を受けるには、現金決済しかない。
実は、前回の滞在の最終日にも、似たようなことがあって非常にショックを受けた。
肺を患っている30代の男性の家族から、3万円の手術代が大至急必要だ、と言われたマハはすぐにお金を集めた。朝一番で駆けつけたが間に合わず、その男性は自宅で息を引き取った。。。

一昨日の夜中に女性の件で連絡を受けた時、このことを思い出してなんだか落ち着かずに朝を迎えた。

翌朝、9時にマハの自宅に集合して、手術代を持っていった。
病院では、その女性が診察を待っているところだった。
話によると、未亡人で付き添っている男性は弟。子どもは8人いて、末っ子は2歳半。
8人か、すごいなぁと感心する私。

名前を呼ばれて、彼女は診察室へ。
戻ってきた彼女は、神妙な面持ちでマハに何やら説明している。
マハは「今すぐに手術をしないと危ないって」と言って、彼女と一緒に診察室に入っていった。

手術代は予想よりも高く、450JDだった。
マハはドクターに事情を説明して430JDにしてもらった。
女性は、今すぐに手術を受けることになり、動揺していたがそれ以外に道はない。
後は、手術の成功を祈るだけだ。子宮を取るのかなぁ。。。

マハが持っていった「手術代」というのは、基本的にはイラク人富裕層からのカンパ。
こうした緊急事態が発生した時に、マハのネットワークに電話をするとある程度のお金が集められる。

手術じゃなくても、薬代が払えない人たちが恐ろしく多いので、マハは新たに医療システムを作った。薬局と提携して、前もって登録した薬代をマハが払い、イラク人避難民が必要な薬を無料で受け取れるようになっている。私が紹介したイラク人たちもこれに賛同して、コンスタントにこの医療システムにカンパをしてくれている。私を通してイラク人同士がつながって一緒に働いている、というのは正直うれしい。

この草の根医療システムには『イラク支援ボランティア高遠菜穂子』にいただいた皆様からのカンパも充てています。

心身ともにボロボロのイラク人。こうした身体的苦痛とともに、誰もが思わず身震いしてしまうような体験をしていて、その心的外傷に苦しんでいる。どこから手をつけていいのかわからなくなるほど、その傷は深い。が、歩みを止めることはできない。

というわけで、これからラマディとバグダッドにカンパを送金しに行ってきます。その後はまた洋服問屋に子どもたちのジャケットの買出しに行ってきます。
by nao-takato | 2008-12-14 17:37 | 支援/プロジェクト

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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