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伊江島、辺野古。

昨日とは打って変わって、朝から雨。涼しい。ところが、ツアーも朝からハプニング続き。「レンタカーの鍵をなくしたー!」と悲鳴にも似た声のモーニングコール。「え」に濁点をつけたような声を出して一気に目覚める。。。結局、鍵はベッドのシーツの間にあったんですが、驚きましたねぇ。。。沖縄珍道中、2日目はどうなる?

伊江島、辺野古。_b0006916_0464933.jpgさて、伊江島はインパクト大。かなりの強行スケジュールでしたが、行って良かったです。阿波根さんの話はもちろん聞いたり読んだりしていましたが、私自身、ヌチドゥタカラの家を訪れたのは今回が初めてでした。カーシムは、資料館の中の山積みされた薬莢や模擬爆弾、壁一面の原爆や爆撃の写真を見て、フラッシュバックしていたそうです。それらはカーシムに、戦場の空気、匂い、音、緊張感を思い出させたのです。

そして、阿波根さんが村人に伝えた抵抗のルールは、「非暴力の実践」としてかなり強いインパクトをカーシムに与えたようです。
「反米的にならないこと」という最初のルールを通訳すると、カーシムは驚いた顔をしました。「怒らないこと」「米軍の悪口を言わないこと」「耳より上に手を上げないこと」などなど。紙に書かれたこれらの具体的なルールにビックリしていました。

伊江島が見舞われた激しい攻撃、米軍による土地の接収。そして、非暴力の抵抗で取り戻した土地で風にゆれるサトウキビ。伊江島の辿った軌跡は、カーシムたちイラク人の行く末を見るような思いでした。現在進行しているイラク地位協定はどうなるのでしょうか?日本でも日米地位協定で大きな抵抗があったわけですが、イラクでも多くの市民が反対しています。

彼の町のあちこちに放置されていた戦車やめちゃくちゃに破壊された建物は、少しずつ米軍のブルドーザーで解体されてきています。それはつまり、イラクが経験した過酷な歴史が消されていくということです。公益質屋跡にも立寄りました。「ヌチドゥタカラの家」資料館の謝花さんは、言いました。

「戦争を体験した80代以上は資料館に入りたくないのよ。思い出すからね。でも、若い世代にはこの歴史を伝えないといかんのよ。失われた命はここに展示することはできないけれど、その命が奪われた状況は展示できる。それを後世に伝えることが戦争をくり返さないために一番大切なことなのよ」

キャンプシュワブのフロントゲートで、友人が車中からビデオカメラを米兵に向けました。私は思わず「ダメ!隠して」と言ってしまいました。バグダッドだったら撃たれてたかも。ここは日本だからね。。。検問所にいた米兵は双眼鏡でこちらを見ていました。カーシムはちょっと警戒している感じ。辺野古の浜に行った時は、狙撃兵がどこかでこっちを見ている気がすると言ってました。

キャンプシュワブの海岸で、カーシムに質問をしました。
ワタシ:「2日間、沖縄のいろいろなところを訪ねたけれど、イラクの人たちに何を一番伝えたい?」

カーシム:「イラクにいる僕の友人たちは、オキナワに対してひどく悪いイメージを持っている。実際、僕自身もそうだった。オキナワと言えば、爆弾とか弾薬庫というイメージ。僕たちの町にいる米兵たちは多くが”オキナワから来た”と自己紹介する。だから、僕の町の人々は、オキナワはアメリカだと思っている人が多い。そうだなぁ、まず最初にこう伝えるよ。オキナワにはフツーの日本人が住んでいたってね。そして、住民は僕たちと同じように米軍に苦しんでいたってね」

ワタシ:「オキナワのイメージって弾薬庫っていうイメージだけ!?」
カーシム:「そうだよ。それしか知らないもの。殺したり、虐待する米兵の町」
ワタシ:「……」

私はこの5年間、カーシムとガチンコで対話してきたつもりでした。オキナワだけでなく、ニッポンのイメージが崩れてしまったことももちろん知っていますし、私はそれを理由に人質になったわけですから、それは否定しようもない事実です。でも、辺野古で、キャンプシュワブで、最後にこうキッパリと言われた時、私は胸を締め付けられる思いがしました。悔しい、悲しい、セツナイ、ツライ。その直前まで移動の車の中で、日本の良いところを一生懸命に説明していたこともあって、彼の率直なイメージはズシンときました。わかってたんですけど、わかってたのに、涙がこぼれてしまいました。

オキナワの人たちが、武力を使わずに土地を取り戻したり、基地拡張をストップさせることに成功したりしていることを必ずイラクの人たちに伝えていくと、辺野古で座り込みをしている人と約束していました。

満月まつりに参加しました。ちょっとだけイラク報告しました。
さぁ、明日はラスト報告会in沖縄です。
18:00〜船員会館です。その後は、北海道旭川(11月12日)
風邪ひかないようにしないとね。。。
by nao-takato | 2008-11-10 00:12 | 報告会/来日ツアー

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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