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金曜日の羊肉

金曜日の羊肉_b0006916_23575325.jpg先月、ヨルダンを訪れた時、CRPアンマンチームのリーダー(写真中央)が毎週やっているという羊肉の差し入れに同行させてもらった。とにかく、このアンマンチームのリーダーはよく動く。睡眠不足でまさに「突っ走って」いる。デパートのベンチで座ったまま熟睡してしまったわ!(爆笑)と言いながら、「休んでなんかいられない」と休日も返上。でも、わかる。その気持ち。チョコレートカンパをして「居眠りしてね」と言う。

金曜日の羊肉_b0006916_0213773.jpg金曜日の羊肉_b0006916_02148100.jpg
タクシーを半日チャーターして、まずはスーパーマーケットへ羊肉を買いに行った。イラク人のビジネスマンや富裕層たちが、毎週金曜日に持ち回りで10万円くらいの寄付をしているのだそうだ。そのお金で彼女が約100パックの羊肉を買って、イラク人家庭に届けている。富める者が喜捨をして、人々を助けるというのはイスラムの基本理念だが、しっかりとそれは活きている。イラクの人たちが、自分たちの手と足で立ち上がろうとしていることを、私はしっかりと感じた。だから、この人たちと一緒に乗り越えたいと思う。

金曜日の羊肉_b0006916_023437.jpg金曜日の羊肉_b0006916_0251880.jpg今回、私が同行した地区は、彼女にとっても新しいところで、どのくらいのイラク人避難民がいるのかという調査も兼ねてだった。案内してくれるのはその地区の状況を知る地区リーダーのボランティア女性(右写真の左の女性)。私は地区リーダーと一緒に羊肉を持って、何軒もドアをノックしてまわった。まずは知り合いのイラク人の家を訪ねたり、通りまで受け取りに来てもらい、そこから新しい避難民家族の場所を確認しながら、さらに配布をしていく。そこでまた新しい家族を紹介してもらう。彼女たちの会話はこんな感じ。

(ドアをノック)
CRP:「こんにちはー(イラク独特のあいさつ言葉)」
家族:「はい(イラク独特のあいさつ言葉で返す)」
CRP:「イラク人からイラク人への贈り物です。羊肉です。どうぞ」
家族:「まぁ、ありがとうございます。感謝します」
CRP:「ところで、この近所にイラク人家族はどのくらいいますか?」
家族:「このアパートの2階と3階に2家族。通りの向こうのアパートにも3家族います」
CRP:「わかりました。ありがとうございます」

金曜日の羊肉_b0006916_0274337.jpgイラク独特の挨拶をして、イラク人を見分けているようだった。子どもたちが1軒1軒案内してくれるので、とっても助かる。どこに行っても女性が多く、女性のボランティアはとっても重要だなと思った。やっぱり、女性同士だとリラックスしてるみたいだったから。それにしても、イラク人のネットワークはスゴい。砂漠の民のコミュニケーションでもあるだろうし、世界とのつながりを長らく絶たれてきた民の「生きる術」でもあるだろう。追いつめられれば追いつめられるほど、その結束は固くなっていく。例えば、世界中で追いつめられた「イスラム教徒」。追いつめられた「労働者たち」。追いつめられた「子どもたち」。アンマンのイラク避難民たちはその結束をポジティブに動かし始めている。
by nao-takato | 2008-07-21 00:56 | 支援/プロジェクト

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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