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レバノン情勢

レバノン情勢_b0006916_5241695.jpg現在地、アンマン。レバノン情勢が悪化し、ここアンマンにもレバノンからの避難民が増えているもよう。テレビや新聞も連日、レバノン情勢を特集。やはり、アラブ諸国の中ではとても他人事ではなく、レバノンの子どもたちが大量に殺された写真や映像が連続して映し出されている。どこを見ても、真っ先に殺されていくのは子どもたち。アメリカとイスラエルは「自衛の権利がある」と繰り返すけれど、どこから見てもこれはもう「自衛」の域を超えている。クラスター爆弾、無差別投下。やりすぎ。

レバノン情勢の影響は、イラク人にも出ている。ここヨルダンはもともと小さな国だし、資源たっぷりの中東に位置しながら、どういうわけか資源がまったくない観光立国。隣国はイラクにイスラエル、パレスチナ、レバノン。昨年12月のイラク議会選挙時の調査でも、100万人に近いイラク避難民がアンマンに滞在しているということだった。ヨルダンの財政はとっても厳しい状態。原油高で物価は高騰し、でも給料は上がるわけではなく、ヨルダン人は泣きたい。人口が増えるし、お金のあるイラク人が一斉に不動産を購入し、土地の値段が急騰。アパートの家賃まではね上がる。給料の少ないヨルダン人と、失業中のイラク人は泣きたくなってしまう。ヨルダン政府としては、同胞の受け入れには応じたいが、その懐はもうキャパシティオーバーというわけだ。

アラブ圏の人たちは、原則ビザなしで出入国ができることになっている。もちろん、イラク人もだ。でも、いっぱいいっぱいのヨルダンサイドは、今までにもいろいろな制限をイラク人につけたりしてきた。ビザなし滞在期間を縮小したり、ヨルダン初入国のイラク人は入国が拒否されたり、年齢が若いとか、ファルージャ出身だからとかいう理由で入国拒否をされるということも実際にあった。これは、国境の係官の気分次第というところも少なからずあるようだが……。ヨルダンでの爆破事件の影響というのももちろんある。

しかし、今回はそんな曖昧な制限ではなさそうだ。レバノン攻撃以降、18~35歳のイラク人男性全員がヨルダン入国拒否になり、パスポートに赤いスタンプが押されているとのこと。いろいろと調べてみたが、これは一時的な措置で、レバノン情勢によるとのことだった。なので、今後一切ヨルダンに入国禁止というわけではないようだ。もし、そうだったら大変だが……。

今回は、そんなこんなでバタバタして滞在はほぼ終わり。プロジェクトミーティングは、出席者は私ひとりで、全員欠席。でも、今月末には、物資輸送第2弾がヨルダンに到着する予定。その時までには、中東情勢が少しでも良くなっていてほしい。もう、殺し合いはやめるべき。新たな憎悪を増やすだけだから。
by nao-takato | 2006-08-02 05:52 | イラク以外

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


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