在ヨルダンイラク難民サポート'10年9〜11月
2010年 12月 27日
在ヨルダンのイラク難民で、特に困窮している家族のサポートを米NGOのCRP(=Collateral Repair Project)との協力で進めました。
支援対象の2家族のうち、タフシーン一家の様子をご報告します。
タフシーン一家9人が暮らす部屋の中
この家族は、今年2月末にヨルダンにやって来ました。タフシーンと妻、4人の子ども、タフシーンの母親とその娘、タフシーンの叔母の9人家族。以下はタフシーン一家のイラクでの体験です。
タフシーンは、バグダッドで叔父といる時に突然やってきた車から発砲された。叔父は即死。彼はそのままモスクのトイレに4日間監禁され拷問を受けた。棒で脳天を何度も殴られた。ドライバーやナイフをあちこち突き刺されたりした。左足骨折、手足に酷い傷を負った。シーア派民兵たちは彼が米軍の手先と疑っていた。
タフシーンの長男ニブラスは、ヨルダンに来てからずっと失踪を繰り返している。何度も警察に保護されており、家族はどうしたものかと困り果てていた。この家族をケアしてきたNGOスタッフは、父親が襲われた光景を目の当たりにしていることなどが関係しているのではないかと話していた。(写真はニブラスと筆者)
左写真はタフシーンの次男、三男、右写真が末娘
タフシーンの叔母サミラはバグダッドのカラダ通りで父親と野菜売りをしていた。ところが、3回も続けて「ここはシーア派のエリアだ」と脅迫を受けた。ある日、夜8時頃に自宅に覆面をした男たちが10人以上で押し入ってきた。灯油がまかれ、放火された。父親は焼死、自身は大やけどを負った。(写真は右手に火傷を負った叔母のサミラ)
タフシーンの母親は娘シャハッドと二人きり。息子タフシーンと一緒にヨルダンに避難してきた。娘シャハッドは5年生になる年だが、イラクでも学校にほとんど行ってなかったらしい。しかし、独学で読み書きを覚えていて、立派に本を朗読して聞かせてくれた。母親が読み書きできないので、難民関係の書類も声に出して読み上げているとのこと。このシャハッドを含め子どもたちは、ヨルダンに来てから学校に通っていなかった。(写真はタフシーンとシャハッドの母)
こんなにがんばり屋さんで、「勉強したい」と願う子をどうしても学校に行かせてあげたいと思った。一家があまりにも悲惨な体験で心身共に傷ついている中で、シャハッドが一点の希望に見えた。(写真は朗読するシャハッド)
私はCRPと協力してこの家族のサポートをすることにした。もう1家族、アブ・サム一家4人の支援をすることも決めた。
<支援対象>
在ヨルダンイラク難民の2家族(タフシーン一家9人とアブ・サム一家4人)
<支援内訳>
(タフシーン一家)
学校編入の手続き→CRPが国際NGO「セイブザチルドレン」と協力
制服、衣類、靴、通学カバン、文房具などの購入 229.90JD
家庭教師の派遣(元教師のイラク難民女性に依頼)※4ヶ月分 210.00JD
(アブ・サム一家)
高校の制服(2名分)、文房具とカバン 54.75JD
通学費用 54.00JD
家賃1ヶ月分 110.00JD
1名バグダッドへの交通費 50.00JD
----------------------------------------------------------------------------------------------------
合計 708.00JD(=$1,000-)
シャハッドの家庭教師を依頼した元教師のイラク難民女性は、英語が堪能。
特に海外留学経験はないそうだが、学校の勉強でこれだけ英語が話せるようになるもんかと感心。
彼女はとても聡明でやさしく、シャハッドの境遇を理解してくれた。
彼女自身も、夫はいるが3人の子どもを抱えて困窮していた。
家庭教師の月50JDの収入が少しでも助けになればと思った。
衣類や靴を買ってもらって喜ぶシャハッドとニブラス
通学カバンを背負ってニッコリ。
制服もバッチリ。
先月、ヨルダン滞在中にシャハッドに会ってきました。家庭教師の先生ともうまくやってるようです。現在、シャハッドと母親は、UNHCRからアメリカへの移住をすすめられているそうです。(写真はシャハッドと筆者)
米NGO「CRP=コラテラル・リペア・プロジェクト」とは、以前から協力関係にあります。
以下はこれまで一緒にやってきたことです。
世界難民デーinヨルダン
CRPダイジェスト
支援対象の2家族のうち、タフシーン一家の様子をご報告します。
タフシーン一家9人が暮らす部屋の中
この家族は、今年2月末にヨルダンにやって来ました。タフシーンと妻、4人の子ども、タフシーンの母親とその娘、タフシーンの叔母の9人家族。以下はタフシーン一家のイラクでの体験です。
タフシーンは、バグダッドで叔父といる時に突然やってきた車から発砲された。叔父は即死。彼はそのままモスクのトイレに4日間監禁され拷問を受けた。棒で脳天を何度も殴られた。ドライバーやナイフをあちこち突き刺されたりした。左足骨折、手足に酷い傷を負った。シーア派民兵たちは彼が米軍の手先と疑っていた。
タフシーンの長男ニブラスは、ヨルダンに来てからずっと失踪を繰り返している。何度も警察に保護されており、家族はどうしたものかと困り果てていた。この家族をケアしてきたNGOスタッフは、父親が襲われた光景を目の当たりにしていることなどが関係しているのではないかと話していた。(写真はニブラスと筆者)
左写真はタフシーンの次男、三男、右写真が末娘
タフシーンの叔母サミラはバグダッドのカラダ通りで父親と野菜売りをしていた。ところが、3回も続けて「ここはシーア派のエリアだ」と脅迫を受けた。ある日、夜8時頃に自宅に覆面をした男たちが10人以上で押し入ってきた。灯油がまかれ、放火された。父親は焼死、自身は大やけどを負った。(写真は右手に火傷を負った叔母のサミラ)
タフシーンの母親は娘シャハッドと二人きり。息子タフシーンと一緒にヨルダンに避難してきた。娘シャハッドは5年生になる年だが、イラクでも学校にほとんど行ってなかったらしい。しかし、独学で読み書きを覚えていて、立派に本を朗読して聞かせてくれた。母親が読み書きできないので、難民関係の書類も声に出して読み上げているとのこと。このシャハッドを含め子どもたちは、ヨルダンに来てから学校に通っていなかった。(写真はタフシーンとシャハッドの母)
こんなにがんばり屋さんで、「勉強したい」と願う子をどうしても学校に行かせてあげたいと思った。一家があまりにも悲惨な体験で心身共に傷ついている中で、シャハッドが一点の希望に見えた。(写真は朗読するシャハッド)
私はCRPと協力してこの家族のサポートをすることにした。もう1家族、アブ・サム一家4人の支援をすることも決めた。
<支援対象>
在ヨルダンイラク難民の2家族(タフシーン一家9人とアブ・サム一家4人)
<支援内訳>
(タフシーン一家)
学校編入の手続き→CRPが国際NGO「セイブザチルドレン」と協力
制服、衣類、靴、通学カバン、文房具などの購入 229.90JD
家庭教師の派遣(元教師のイラク難民女性に依頼)※4ヶ月分 210.00JD
(アブ・サム一家)
高校の制服(2名分)、文房具とカバン 54.75JD
通学費用 54.00JD
家賃1ヶ月分 110.00JD
1名バグダッドへの交通費 50.00JD
----------------------------------------------------------------------------------------------------
合計 708.00JD(=$1,000-)
シャハッドの家庭教師を依頼した元教師のイラク難民女性は、英語が堪能。
特に海外留学経験はないそうだが、学校の勉強でこれだけ英語が話せるようになるもんかと感心。
彼女はとても聡明でやさしく、シャハッドの境遇を理解してくれた。
彼女自身も、夫はいるが3人の子どもを抱えて困窮していた。
家庭教師の月50JDの収入が少しでも助けになればと思った。
衣類や靴を買ってもらって喜ぶシャハッドとニブラス
通学カバンを背負ってニッコリ。
制服もバッチリ。
先月、ヨルダン滞在中にシャハッドに会ってきました。家庭教師の先生ともうまくやってるようです。現在、シャハッドと母親は、UNHCRからアメリカへの移住をすすめられているそうです。(写真はシャハッドと筆者)
米NGO「CRP=コラテラル・リペア・プロジェクト」とは、以前から協力関係にあります。
以下はこれまで一緒にやってきたことです。
世界難民デーinヨルダン
CRPダイジェスト
by nao-takato
| 2010-12-27 19:41
| 支援/プロジェクト