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ラマディ母子病院から医師2名が研修で来日

1月8日に帰国しました。
ラマディ母子病院の医師2名と一緒でした。
民医連の招聘です。
ラマディ母子病院から医師2名が研修で来日_b0006916_2153440.jpgドクターアンマール(左)とドクターシェイマは夫妻です。夫のドクターアンマールは、小児科医。妻のドクターシェイマは産婦人科医です。3月中旬まで神奈川県川崎市の川崎協同病院で研修を受けます。膝の上の子どもたちも一緒に来日しています。写真は、イラク人だらけの新年会@アンマンの時のものです。

ラマディ母子病院から医師2名が研修で来日_b0006916_2219715.jpgお兄ちゃんのアブドゥルラフマン、2歳です(左)。アブーディって呼んでください。弟のアハマド、1歳です(右)。ハムーディって呼んでください。アブ&ハムは保育所に通い始めました。すぐに日本のお友達もできました!


15日に、ドクターたちは病院の見学をしました。
ラマディ母子病院とのギャップにショックを受けておりました。
ラマディ母子病院も川崎協同病院と同じくらい大きく、250床くらいありますが、ベッドは半分以下。血圧計は1個しかなく、それも壊れてしまったと…。
シーツやタオルがない。きれいな水もない。お湯も出ない。
ディスポの手袋が足りない。白衣が足りない。
ディスポの針がない…。ないない尽くし。
時には文房具のカッターで切開手術をしたことも…。
川崎の病院を見学して、「あぁ、これカタログで見た!これ、すごく必要なんだけど手に入らないんだよ」とつぶやくドクターアンマール。新生児のおでこに当てて黄疸の値を計るものらしいです。
小さい器具ですが、40万円するらしい!
その他、子ども用の聴診器も実際に耳に当てていました。

バグダッド、バスラ、ナジャフ、ファルージャに続いて、ラマディでも無脳症や先天性心疾患や奇形が激増していることもあり、そうしたことを質問していました。
他にも、現代日本ではほとんど見られない病気なんかもあるようです。

また、日本のドクターたちはラマディのドクターたちの体験談にずいぶんと驚いていたようです。
特に2006年、ラマディの病院は米軍に占領されていたので、院内で拘束されたりすることが日常茶飯事だったのです。
白衣を白旗にして患者の搬送を行ったり…。
手術中に、米兵がオペ室に土足とマシンガンを持って押し入ってきたそうです。
「やめてくれ」と言うと、「ここは俺の病院だ。どこに行こうが自由だ!」と言われたそうです。

またある時、ドクターアンマールは院内で米兵に拘束され窓際に立たされていたそうです。
米兵は彼の目の前に立ち、彼の肩の上にマシンガンを置いて狙撃していたそうです。
それが15分ほど続いたそうです。それからしばらくは耳が聞こえなかったそうです。
かと思えば、外から患者のいる部屋に向かって撃ってきたり…。

彼らはまだ30歳です。若い医師です。
脅迫、殺害などがあふれたイラクで、地元に留まり医師の仕事を続けた彼らはそれだけでもスゴいことです。しかし、本来なら医師としての体験を積むべき時に、占領軍から受けた屈辱の体験の方が多いなんて不幸なことです。

彼らはとても真面目です。存分に学んでいってもらいたいと思っています。
彼らとラマディの再建について話し合っている今日このごろです。
おそらく、2月下旬頃に京都に行くと思います。会議です。
大阪で報告会をやりたいなーと考えてます。
その足で名古屋の医師たちにもお会いできればなーと思ってます。
その際は、ベビーシッターを引き受けてくれる方、募集すると思います。

ドクターファミリーをどうぞよろしくお願いいたします。
by nao-takato | 2010-01-16 22:51 | 支援/プロジェクト

リアルタイムでイラクの今をお知らせする為の公開日記


by nao-takato